大型二枚目君モデル機
1/30スケールモデル製作記
Part 2
プーリ
各プーリは、レジン製で、端部はCAMデータを起こして、MODELAにてモデリングし、卓上旋盤で切削した中間部に貼り付けました。後から考えると手間のかかる方法だったと思います。
最もディスクプーリには有効な方法だったと自負しています。シャフトまで切削する必要は無かったと思っていますが・・・
プランマーブロック、ピローブロックの軸受も、レジン製でMODELAによる切削品です。
こちらのデータはweb2CADのものを流用しましたが、ピローブロックはディテール不足なので修正を要しました。
変角プレートも全てMODELAで製作。こちらは、2次元のCADデータから3次元データを作って、まるでCAD→CAM並みの方法でモデリングしました。
使用したツールのサイズ(φ1mm)のせいもあったのですが、意外に小さなボルトの形状も切削出来、ほぼ満足のいく仕上がりになりました。
切削したプーリとプランマーブロック (ヘッドプーリ)
テールプーリ完成品
ディスクプーリ、バープーリ
(当初、削り出しには同色のレジンを使用していた為、マジックインクの印がしてありますが、これはあまり良い方法ではありませんでした。)
今回、小さなパーツの多くは実験的にMODELAを使用して製作しています。
MODALAはデータの製作、切削にやや時間は要するものの、簡単、正確に精密なパーツが製作出来るので、模型作りには大きな武器となります。
問題はその価格でしょうか。
1台40万円以上はします。
個人ユースの模型の為の出費としてこれは安いのかどうか?
ひと昔前のパソコンの価格からすると、これでも安いと感じるかもしれませんが。
プロユースの機械だと数百万円は下らない機械なので、この機能でここまで安くしてもらっている事に感謝しましょう。
MODALAは工夫次第で、治具、ゲージの必要が無くなりますし、かなり複雑な形状でもうまく工夫すれば再現できるので、こうした機械がある事はありがたい限りです。
今回いろいろ試してみて、最も実感したのはその点でした。
最も、MODELAさえあれば、何でも出来るかと言うとそうでもなくて、あくまで工作機械としての創意と工夫が必要です。
片面一軸式の切削マシンの為、両面切削には工夫が要りますし、オーバーハングした形状は切削できない等、制限があります。
僕は治具、ゲージが不要な上、データの作り方、ツールの適正な使用で、精密なパーツが製作出来るので重宝しています。
2007年3月27日(火)振替休日
巡回コンベアの歩廊と、階段3基にチェッカーパターンのデカールを貼り付けました。
予想外に手間のかかる作業でたっぷり1日かかってしまいましたが、出来上がりはまあまあと判断しています。
デカールは、自作デカールの定番と言っていいアルプスマイクロドライプリンターで印刷したもの。
データはCADもしくは、イラストレーターで製作し、アルプスプリンターで出力です。
ただ、マークソフターを併用すると色によっては溶け出す事があり注意を要します。
今日で架台の手摺も概ね片付きました。
これからは各コンベア類の組み立てとなります。
各コンベアの取り付けパーツの内、コンベアベルト、ローラ類をまだ作っていないので製作します。
ローラは、二枚目君と巡回コンベアが径135mmなので、少し太くなりますが、径5mmのプラ棒、初期投入コンベアは、径89mmなので、径3mmのプラ棒としました。
まずは、卓上旋盤にてプラ棒を各ローラのサイズに切り出します。旋盤の受けポンチをゲージ代わりにしましたが、時々プラ棒切断面の中心に素があり、受けポンチの先端が入り込むのには閉口しました。
変角部パーツの組み立て
下部変角部の組み立て
変角部パーツの組み付け
完成したコンベヤヘッド部をコンベヤ架台に仮組み
2007年4月26日(土)
今日は一日かけて大型二枚目君と巡回コンベアのキャリアローラを作成。
ローラ自体は卓上旋盤にて既に切り出しているので、スタンドの作成と組み立てです。
しかし、31セットも同じ物を作り続けるのは大変です。
一日作り続けてくたくたになりました。
本来、こうしたフラットキャリアローラスタンドは、アングル材の本体に、フラットバーのベース、そしてローラを支える鞍部と言った構成なのですが、多少省略し、アングル材はタミヤの3mm三角プラ棒、ベースは0.5mmプラ板を幅切りしたもの、鞍部は中央は1mmプラ板を加工、両側は0.5mmプラ板の組み合わせとしました。
(小さいですが、ちゃんとチャンネル材の形状にしてあります。)
次は、大型二枚目君の中間部のローラスタンドです。
完成したキャリアローラ
製作中の中間ローラ用ブラケット
ここで卓上旋盤の話しが出たので、少し卓上旋盤のご説明を。
私が使っているのは、プロクソン製のマイクロレースで(現在はより大型の機種がでました)、樹脂等の加工には重宝しています。
ただ一部評価にやや精度が甘いと言われていて、それが最近気になっています。
値段を含め、初心者用なのでしょう。
それでも、一台12万円は趣味の工作用にはなかなか勇気のいる出費でした。
小パーツの製作
このコンベヤにはベルトクリーナ類が試験の為に各所に取り付けてあります。
掻き取り式ベルトクリーナ、パワーブラシクリーナ、フランジ用ブラシクリーナ、振動クリーナ、V型スクレーパ
これらの内、完成後に見えるものはほとんど手を抜かずに作りました。
一番苦労したのは、野田テックのNVC-W型の振動クリーナで、一度MODALAで振動子を単体で削り出したものを算盤玉の様に真鍮棒に刺して組み上げました。
苦労した分、出来上がりは自分でも惚れ惚れする程でした。最も実機ではあまり目立たないパーツなのですが、いいワンポイントになっていると思います。
パワーブラシクリーナ、V型スクレーパ、逆転防止器のプレート (後方はベースベルト)
フランジ用ブラシクリーナの製作 卓上旋盤でレジン材を削りだし ブラケットを取付け
フランジ用ブラシクリーナの取付け 完成するとほとんど見えなくなってしまう
振動クリーナの製作 振動子の切削(別色のレジンを使用) 振動子を真鍮線に串刺しにします
別に作っておいた軸受に取付け コンベヤ本体に取付け完成
パーツの組み込み (いよいよコンベヤの完成形が見えてきました。)