チョビ髭Mory
2009年3月24日完成
1/12 Scale
全高 15.5cm
CDJ2008 より
『チョビ髭Mory』
CDJ2008の1/12スケール・フィギュア・シリーズ第2弾は、『Mr.X(Batsu)』と『チョビ髭Mory』の2体の製作を予定しました。
『KILLER-Z』の製作では、初めての人物フィギュア模型という事で大苦戦でしたが、その過程で貴重なノウハウを得る事が出来ました。
当初は平行して製作に掛かったのですが、3月に『下荒井兄弟のスプリング・ハズ・カム』の本公演を観劇するので、その場でプレゼント出来れば良いなと考え、途中から『Mory』の作業を先行する事にしました。
『Mory』の衣装は旧日本陸軍の将校服の様な、詰襟ジャケットに乗馬ズボンタイプの軍服です。
ネット上をいろいろ探しましたが、PoserでもDAZ3Dでも女性フィギュア用の衣装データは豊富にあるのですが、男性フィギュアのものとなると空っきしです。
幾つか軍服は発見し、乗馬ズボンタイプの将校服も見つけたのですが、ジャケットだけはいずれも開襟式でした。
悩んだ末、詰襟だったら学生服が利用できないかと、詰襟の学生服を探し出してデータ作りを行いました。
組み合わせてみるとなかなか良い感じです。
但し、学生服はいささか古いモデル用のデータの為、ポリゴンの目が粗く、切削データが凸凹になってしまったのはご愛嬌と言うべきでしょう。
こうして完成した衣装ですが、切削完了した衣装をフィットさせる作業が殊のほか大変でした。
詰襟の学生服と、将校ズボンの組み合わせはいちおう成功。
学生服の裾部分を削り、将校ズボンを中に入れる様にしたのですが、何かおかしい。
よくよく調べると、身長が高すぎました。
そこで、将校ズボンを削り、学生服の裾の中側を更に削る作業を繰り返し。
随分腰の部分が短くなった気がするけど、ようやくバランスが取れました。
製作過程 左より 切削した本体、写真を基に衣服・帽子をパテ盛り改造
今回は、幸いにも衣装を着けているので、大半は衣装の切削に終始しますが、やはり、肝心なのは、顔と手になります。
顔は、『部屋クリーン』にも書きましたが、DAZ Michael4の顔にMorphを組み込んで顔データを作りました。
『Mory』のツバ付の帽子もPoser関連のデータの流用ですが、そのものずばりの物はやはり無く、全て手直しが必要でした。
『チョビ髭Mory』の頭部をモデラで切削したものの、ほぼ出来上がったボディに組み合わせてみると小さすぎた様です。
未練たらたらですが、諦めてやり直し。
データを修正して再切削。
3日間掛けて切削して、組み合わせてみると、今度は少し大きい?
それでも、なんとか出来そうな大きさなので、これで続けてみる事にしました。
次は手です。
手のデータ作りばかりは少々面倒です。
身体の他の部分と違い小さく薄い為に、Poserのデータを上下に分割する必要があります。
しかも、ただ分割すれば良いのではなくて極力オーバーハングした箇所をなくして切削し易くする工夫がいります。
また前作『KILLER-Z』では手のサイズも小さかったので若干大きくする事にしました。
手のデータ切削
竹刀のデータも見つけて切削。
あるんですねぇ。こんなデータ。
さて、そうこうする内にパーツの切削は完成したものの、その後しばらく『部屋クリーン』のプレゼント分の複製完成に追われ、約1ヶ月作業を休止してしまいました。
ようやく完成した妖精さんたちが旅立ったのを期に制作再開です。
切削完了したボディですが、よく見るとおかしな点がいくつもあります。
まずは、ジャケット。
映像をよく調べると、裾の脇にスリットが入っています。
また、ジャケットは裾のほうが妙に膨らんでいて、まるでスモックの様です。
その為、パテ盛りして改造です。
帽子は軍帽とはまるで形が異なります。
そりゃそうです。
巨大な頭に合わせる為に改造され、後頭部は切り欠かれ、あご紐を後頭部に掛けている帽子なんて滅多にありません。
また、映像撮りの際と舞台では、使い古した為か、形も変わっています。
ここでは舞台の衣装を基に製作する事にして、原型にパテ盛りして改造してゆきます。
髪の毛を盛り付け彫刻
当初、似ているかどうか不安だった顔なのですが、パテ盛りして髪の毛を着けたところ、ビックリしました。
「これ!モリだよね!?」
恐る恐る女房に確認すると
「・・・・似てる。」
良し!
良し! 良し!!
俄然やる気が出てきました。
リューターでズボンやジャケットに皺を彫刻し、プラ板を切り出してジャケットにポケットを取り付けました。
衣装の皺の感じが納得行くものになるまで結構苦戦しました。
映像撮りの際、軍服には肩章も、襟章も着いていないのですが、舞台衣装では肩章が着き、襟にはどうやらボーイスカウトの物らしいワッペンがいくつかついています。
これらはデカールで作る事にしますが、画像が不鮮明で良く解らないので適当に作るしかありません。
原型完成後、改良版『KILLER-Z』とセットでシリコン型を作りました。
シリコンゴム型の製作
久々に遠心脱泡機を取り出して型抜き。
数回失敗を繰り返してようやく満足行く複製が出来ました。
『KILLER-Z』に比べ『Mory』はパーツごとに色が違うので塗り分けも簡単で製作は楽でした。
衣装はカーキ色に塗装した後、少し暗すぎるのでスカイで色調を整えました。
顔を塗ると意外にも似なくなったので細かく調整し、最終的にビデオモードのメイクとしました。
竹刀は竹の部分をタンとスカイ。革の部分をセールカラーで塗装。
製作は観劇の日に間に合わず。
更に週明けの女房の行く日にも間に合わず、結局『下荒井兄弟のスプリング・ハズ・カム』の大阪千秋楽の日に、女房にお願いして、プレゼントとして置いてきてもらう事にしました。
完成した『KEN』と『TAKUMA』、改良版『KILLER-Z』と揃い踏みした姿は見ごたえありました。
CDJ2008のステージの再現 (まだ一部ですが・・・・)
深夜2時過ぎだと言うのに写真を撮影していたら、帽子のつるが無い事に気付きました。
あわてて、ビニールテープを幅切りして接着。
更に写真を撮ろうとしていて、ヘッドマイクが無いのに気付き、あわてて取り付け。
頭部のクローズアップ、後姿が妙に似ている・・・
ようやく写真撮影も終了し、深夜3時。
「あ〜、やれやれ。やっと終わった・・・・」
疲れきって、布団にもぐりこみ、さあ寝ようと思ったその時、
「ほくろ!」
最近見た『チビナックス』で思い出しました。
リーダーのほくろ!
右目の下の真夜中に交代するほくろ!
水性ボールペンでほくろを書いて出来上がり。
いろいろまだまだ修行する必要はあるものの、『Mory』が完成できました。
注)これ等、フィギュアは個人的な趣味で製作したものです。
版権は当然ながらクリエイティブ・オフィス・キューに所属します。
ですから、双熊堂本舗、及び、クリエイティブ・オフィス・キューに問い合わせはしないでくださいね。
お願いします。